アニマルウエルフェア連絡会

人と動物との適切な関係づくりを考えます。
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「殺処分ゼロ」と「猫駆除」の矛盾
[このブログは発行予定のメルマガ「どうぶつネットにゅーす」と同じ内容です。猫の捕獲駆除について、未だ適切な決着を見ずに継続の為、同じテーマで更新しました。]

 ある法律の専門家から「法は、法を適切に使い、必要とする者の為に、法の精神によって作られる。」と教えられました。役所は法の執行官ですから、明らかに野良猫迷惑被害を訴える者が箱罠で捕まえた猫を、殺処分を前提に引取るとしたら、殺処分ゼロを目指す役所のすごく大きな問題です。ある役所から次の法律文をいわれました。

 『動物愛護法(但し通称・以下同じ)第三十五条(犬及び猫の引取り)3第一項本文及び前項の規定は、都道府県等が所有者の判明しない犬又は猫の引取りをその拾得者その他の者から求められた場合に準用する。』

 そんな訳は無いと考え、調べたところ「駆除の為に猫を箱罠で捕まえた者」からの引取りの求めは、「拾得者や拾得者から頼まれたその他の者など」ではないことが分かりました。

 「逸走の家畜」や「拾得」は遺失物法に決められていますし、猫に関係する動物愛護法とその主な関連条文などを下段の【1】〜【10】に引用しました。

 拾得と所有や占有を、立法の精神に従って読み進んだところ、遺失物法の【引用1】〜【引用4】により、猫の拾得を「猫の所有や占有」と理解できます。
 拾得猫の所有や占有については、動物愛護法からの【引用5】により、猫の所有者又は占有者の責務等が決められております。同法【引用6】による、同法施行規則(環境省令)【引用7】で、猫の引取りを求める相当の事由がないと認められる場合が定められ、駆除や殺処分に相当の事由ははありません。

 動物愛護法からと同法の環境省令【引用8】【引用9】【引用10】によると、猫の迷惑被害と周辺環境の保全について、動物愛護法の立法の精神により、猫と環境保全の因果関係が詳しく厳しく決められていますので、駆除も困難です。

 冒頭の、ある地方の役所の言う、動物愛護法の『拾得者その他の者』からの引取りは、条文の字面だけをつまみ出した、極めて不適切な使い方です。
 ここ数年だけをみても、猫への対策はすごく進みました。役所が、猫の捕獲駆除殺処分に手を貸してはいけません。

以下は引用の条文【1】〜【10】==============

【引用1】遺失物法 第一章 総則 (趣旨) 第一条  この法律は、遺失物、埋蔵物その他の占有を離れた物の拾得及び返還に係る手続その他その取扱いに関し必要な事項を定めるものとする。

【引用2】※同法(定義)第二条  この法律において「物件」とは、遺失物及び埋蔵物並びに準遺失物(誤って占有した他人の物、他人の置き去った物及び逸走した家畜をいう。次条において同じ。)をいう。
2  この法律において「拾得」とは、物件の占有を始めること(埋蔵物及び他人の置き去った物にあっては、これを発見すること)をいう。

【引用3】※同法(準遺失物に関する民法の規定の準用)第三条  準遺失物については、民法(明治二十九年法律第八十九号)第二百四十条の規定を準用する。この場合において、同条中「これを拾得した」とあるのは、「同法第二条第二項に規定する拾得をした」と読み替えるものとする。

【引用4】※同法 第四条  拾得者は、速やかに、拾得をした物件を遺失者に返還し、又は警察署長に提出しなければならない。ただし、法令の規定によりその所持が禁止されている物に該当する物件及び犯罪の犯人が占有していたと認められる物件は、速やかに、これを警察署長に提出しなければならない。
2  施設において物件(埋蔵物を除く。第三節において同じ。)の拾得をした拾得者(当該施設の施設占有者を除く。)は、前項の規定にかかわらず、速やかに、当該物件を当該施設の施設占有者に交付しなければならない。
3  前二項の規定は、動物の愛護及び管理に関する法律(昭和四十八年法律第百五号)第三十五条第三項に規定する犬又は猫に該当する物件について同項の規定による引取りの求めを行った拾得者については、適用しない。

【引用5】以下は動物愛護法より引用(動物の所有者又は占有者の責務等)第七条  動物の所有者又は占有者は、命あるものである動物の所有者又は占有者として動物の愛護及び管理に関する責任を十分に自覚して、その動物をその種類、習性等に応じて適正に飼養し、又は保管することにより、動物の健康及び安全を保持するように努めるとともに、動物が人の生命、身体若しくは財産に害を加え、生活環境の保全上の支障を生じさせ、又は人に迷惑を及ぼすことのないように努めなければならない。

【引用6】動物愛護法(犬及び猫の引取り) 第三十五条  都道府県等(都道府県及び指定都市、地方自治法第二百五十二条の二十二第一項 の中核市(以下「中核市」という。)その他政令で定める市(特別区を含む。以下同じ。)をいう。以下同じ。)は、犬又は猫の引取りをその所有者から求められたときは、これを引き取らなければならない。ただし、犬猫等販売業者から引取りを求められた場合その他の第七条第四項の規定の趣旨に照らして引取りを求める相当の事由がないと認められる場合として環境省令で定める場合には、その引取りを拒否することができる。
2  前項本文の規定により都道府県等が犬又は猫を引き取る場合には、都道府県知事等(都道府県等の長をいう。以下同じ。)は、その犬又は猫を引き取るべき場所を指定することができる。
3  第一項本文及び前項の規定は、都道府県等が所有者の判明しない犬又は猫の引取りをその拾得者その他の者から求められた場合に準用する。
4  都道府県知事等は、第一項本文(前項において準用する場合を含む。次項、第七項及び第八項において同じ。)の規定により引取りを行つた犬又は猫について、殺処分がなくなることを目指して、所有者がいると推測されるものについてはその所有者を発見し、当該所有者に返還するよう努めるとともに、所有者がいないと推測されるもの、所有者から引取りを求められたもの又は所有者の発見ができないものについてはその飼養を希望する者を募集し、当該希望する者に譲り渡すよう努めるものとする。(第五〜六項・割愛)
7  環境大臣は、関係行政機関の長と協議して、第一項本文の規定により引き取る場合の措置に関し必要な事項を定めることができる。

【引用7】動物愛護法施行規則(環境省令)(犬猫の引取りを求める相当の事由がないと認められる場合)第二十一条の二 法第三十五条第一項ただし書の環境省令で定める場合は、次のいずれかに該当する場合とする。ただし、次のいずれかに該当する場合であっても、生活環境の保全上の支障を防止するために必要と認められる場合については、この限りでない。
一  犬猫等販売業者から引取りを求められた場合
二  引取りを繰り返し求められた場合
三  子犬又は子猫の引取りを求められた場合であって、当該引取りを求める者が都道府県等からの繁殖を制限するための措置に関する指示に従っていない場合
四  犬又は猫の老齢又は疾病を理由として引取りを求められた場合
五  引取りを求める犬又は猫の飼養が困難であるとは認められない理由により引取りを求められた場合
六  あらかじめ引取りを求める犬又は猫の譲渡先を見つけるための取組を行っていない場合
七  前各号に掲げるもののほか、法第七条第四項の規定の趣旨に照らして引取りを求める相当の事由がないと認められる場合として都道府県等の条例、規則等に定める場合

【引用8】動物愛護法 第四節 周辺の生活環境の保全等に係る措置 第二十五条  都道府県知事は、多数の動物の飼養又は保管に起因した騒音又は悪臭の発生、動物の毛の飛散、多数の昆虫の発生等によつて周辺の生活環境が損なわれている事態として環境省令で定める事態が生じていると認めるときは、当該事態を生じさせている者に対し、期限を定めて、その事態を除去するために必要な措置をとるべきことを勧告することができる。(以下、第二〜四項・割愛)

【引用9】動物愛護法施行規則(環境省令)(用語)第一条  この省令において使用する用語は、動物の愛護及び管理に関する法律 (以下「法」という。)において使用する用語の例による。

【引用10】動物愛護法施行規則(環境省令)(周辺の生活環境が損なわれている事態)第十二条  法第二十五条第一項 の環境省令で定める事態は、次の各号のいずれかに該当するものが周辺地域の住民(以下「周辺住民」という。)の日常生活に著しい支障を及ぼしていると認められる事態であって、かつ、当該支障が、複数の周辺住民からの都道府県知事に対する苦情の申出等により、周辺住民の間で共通の認識となっていると認められる事態とする。
一  動物の飼養又は保管に伴い頻繁に発生する動物の鳴き声その他の音
二  動物の飼養又は保管に伴う飼料の残さ又は動物のふん尿その他の汚物の不適切な処理又は放置により発生する臭気
三  動物の飼養施設の敷地外に飛散する動物の毛又は羽毛
四  動物の飼養又は保管により発生する多数のねずみ、はえ、蚊、のみその他の衛生動物

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