アニマルウエルフェア連絡会

人と動物との適切な関係づくりを考えます。
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愛護動物遺棄犯罪・・・
  数年前に、我が国初ともいわれた、伝説のアニマルライツ(動物擁護)グループ創設者、○さんからいただいた年賀状が、最後の自筆だったと知らされたとき、大きく動揺しました。
 今年は、人と動物との関係を、動物園という立場から見続けた○さん。野犬狩りや捨て猫違反があたりまえだった時代から、問題提起を込めて、やむなく犬猫駆け込み寺などと揶揄されながらも保護を続けた○さん。野良猫擁護活動に、地道に堅実に立ち向かった○さん。そして、私たちの道案内役として、困ったときにはこの方にお電話を…、の○さん、代りの見当たらない先達に、心よりご冥福をお祈り申し上げますとともに、多くの思いを、できる限りかたちにしたいと考えます。

 さて昨今、法の執行官である行政マンの一部と、国家権力をもって私たちに命令する、同じく一部のおまわりさんが失ったものがあります。 
 それは、立法の精神と趣旨です。大げさなことではありません。愛護動物遺棄犯罪についてです。

 【愛護動物が生きられる状態を想定できるとしても、動物を意図的に放置した者が、愛護動物遺棄犯罪者にならない。】という、見解は間違いです。

 昭和48年に施行された動物保護法(但し略称、以下同じ。)をうけて、昭和49年に遺棄犯罪執行の解釈として警察より出された文章のコピーは→クリック|愛護動物遺棄は犯罪です。
 その内容はおおむね「遺棄とは保護動物を保護された状態から保護のない状態に移す。」というものです。(保護動物は、現在の愛護動物です。以下同じ。)また、上のコピーの「動物保護法第13条」は現在では改正されていますが、当時は「保護動物を虐待し、又は遺棄した者は、3万円以下の罰金又は科料に処する。」でした。
 保護下、つまり人の手のもとにある動物が、その手から放されたら遺棄犯罪が成立するという、極めて分かりやすい解説が、動物が命あるものであるなどの立法の精神及び趣旨をうけたものと思われます。
 しかし、当時は人の住環境に現われるへびやたぬきなどを、民家から離れた裏山などに連れ運び捨て去る措置などもとられていました。そのような遺棄の慣習などから、「愛護動物が生きられる状態を想定できるとき、動物の所有権或いは、保護及び管理の責務などを放棄し、意図的に放置した者でも、愛護動物遺棄犯罪者にならない。」などとの解説が、現在でも考え出されているものと推測されます。

 昭和60年の動物保護法の解説書は、更に現行法に近くなっており、虐待と遺棄をそれぞれ独立した行為の罪として解いています。最近もマスコミ報道されていましたが「人の環境に捨てられた愛護動物は、衰弱や殺傷にいたらないので、遺棄犯罪にならない。」などの解釈は立法の趣旨とは大きく異なり、間違いです。
 昭和60年当時の解説頁を引用したコピーは→クリック|愛護動物遺棄は犯罪です。

 来年の9月に施行される改正動物愛護法(但し略称)では、愛護動物を殺し又は傷つける犯罪が、懲役2年、罰金200万円。衰弱させるなどの虐待が、罰金100万円。遺棄した者は罰金100万円など、捨てる犯罪と、殺傷や衰弱虐待犯罪は明確に独立して分けられています。
 改正前の動物保護法の時代には、遺棄虐待として双方を混同してしまい、捨てても殺傷や衰弱虐待とかぶらないときは、犯罪者にならない、などとの見解が出されたものと思われますが、間違いです。
 愛護動物所有や占有の権利と、飼養の責務を放棄して、動物を放置する事態が遺棄犯罪にあたらないとするならば、我が国は法治国家を放棄したほうがよいと思うのです。

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