アニマルウエルフェア連絡会

人と動物との適切な関係づくりを考えます。
<< June 2019 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 >>
 
 
性善説の国ですが・・・
  「法律の罰則は罪人を作る目的では無く、罪を犯さない効果に期待するもの」などと説明を受けます。わたくし事で恐縮ですが、青春時代から憧れ続けた運転免許証の○優マーク、現在のゴールド免許を手に入れる迄、40年近くかかりました。往時から運転を切り離せなかったこともあり、執行目的の交通違反取締の罠にまんまと何度もかかりました。
 交通法規に置き換えた例ですが、罰則を執行しないままで抑止効果に期待できたとは到底思えません。

 動物の法規に戻る時、車両のナンバープレートにも似た「犬の登録鑑札票」の装着率は公称5割といわれています。登録違反と装着違反には合計40万円、加えて狂犬病予防注射をせずに、注射済票を付けないと総合計で80万円の罰金ですが、罰則の執行を聞きません。
 大災害の被災犬に外観から見て分かる鑑札票がないので、飼い主と放浪犬が結びつきません。国は被災地の放浪動物対策に、入札事業者を数千万円単位で募り、被災犬などの確保にあたっているようですが、詳しい情報等はほとんど伝わっていません。被災当初より抑留犬の致死処分をしないことを国は宣言していますから、おびただしい数が想定される未登録犬がどこにどのような状態で抑留され、どのような監視の下に保護管理されるのか?具体的な計画案はいつもと同様に不透明です。

 1年以上も経過した被災地で、畜産農業に供されていた動物の致死処分を国が進めていますが、主に食する目的などの同畜産業から免れた次の動物たち「牛、馬、豚、めん羊、やぎ、犬、ねこ、いえうさぎ、鶏、いえばと及びあひる」などを、畜産農業動物とは別途に法令上の「愛護動物」として定めています。愛護動物の致死処分を、法令遵守の下で行う事は原則として極めて困難な筈ですが、殺します。
 法令遵守と行政措置の整合性が、その時々の場当たり的なご都合主義で次第に見失われています。

 動物の遺棄違反という比較的分かり易い罰則があります。これは交通違反にも似て、日常的に起こっており、その原因もほぼ知られています。遺棄犯罪の結果に起因する被害には、遺棄された愛護動物を殺さないために奔走するさまざまな思いを持つ皆さま方の、表立って見えにくい労力や出費などの実害も生じています。
 民間人が愛護動物の遺棄犯罪を現行犯で押さえることは現実的といえません。例えば交通法規の「ここ一通です。逆行しています。」などの直ぐ証明できる違反と違いますし、取り締りにあたる警察の多くは遺棄犯罪者検挙の経験がありません。そこで、法規法令の執行官である行政マンに助けを求めることになりますが、ここで冒頭の「抑止効果」の説明を受けてしまいました。この管轄行政地区に愛護動物遺棄違反者の執行実績がなく、遺棄犯罪が多発しているにもかかわらずです。

 繁殖制限の措置という、一生涯飼えない恐れのある犬やねこを産ませない努めを国は法律で決めています。これは性善説の通り罰則がありません。以前にこの法律の適用範囲を国に問い合わせたところ、「動物取扱業者といえども法律本法は適用される。」とのことでした。
 少し横道にそれますが、行政はペットと呼ばれる愛護動物の飼い主だけに限らず、売買に供されることから当初より終生飼養を目的にしていないと思われる場合の、繁殖用親犬親ねこに対する繁殖制限の措置、いわゆる不妊去勢手術の実行を取扱業者にも言えるのですが、そのような行政指導などを聞いたことがありません。

 繁殖制限を怠り、生まれた動物の終生飼養の責務を果たさずに、犬やねこを捨てた現場があったとします。
 愛護動物遺棄違反の行政執行を最寄りの役所に求めた時『罰則は罪人を作る目的では無く、罪を犯さない効果に期待するもの』などと返されるとしたら、現実から遠く外れた空しさを思わざるを得ません。
 致死処分される動物のいる限り、また抑止効果の思われる罰則が存続するのでしたら、その罰則の執行を積極的にやってみたらいかが?!…、と感じています。

【このブログはメールマガジン「どうぶつネットにゅーす」と連動しています。】

(C) 2019 ブログ JUGEM Some Rights Reserved.