アニマルウエルフェア連絡会

人と動物との適切な関係づくりを考えます。
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被災動物の同行避難
  動物愛護法(但し略称)に決められた動物愛護週間の時期には、動物関連のさまざまなイベントが盛んになります。災害時の動物救護がテーマのセミナーがあり、福島被ばく災害の被災動物の同行避難が何故できなかったのか?という疑問が出されました。その原因を整理すると、福島県に限らず被災地はどこも同じようです。

【最大の原因】(行政は法規法令の執行官であるとの原則のもと)災害基本法による地域防災計画を根拠に、動物救護本部の設置が被災当日にできたにも関わらず、随分遅れてしまったことが原因といわれます。
 人の災害対策本部は速やかに稼動し、即刻避難所が設定されます。地域防災計画に「動物」を取り入れている自治体の災害対策本部では、同時に「動物救護」を執行できたのですが、環境省の情報よると、岩手県災害時被災動物救援本部:3月22日設置、 宮城県緊急災害時被災動物救援本部:3月18日設置、仙台市被災動物救護対策臨時本部:3月25日設置、福島県動物救護本部:4月15日設置、 などです。
 人命の避難は緊急迅速に行われますが、自治体の権限のもとで設置される筈の動物救護体制の遅れた避難所や避難用のバスなどには「動物救護」の指揮体系が届かないのが道理で「動物よりも人命」などの気運がただよいます。動物救護本部の設置が一番早い宮城県でも被災当日から1週間後ですし、環境省の情報通りですと福島県は1か月以上も後です。その間、行政執行の権限を持つ動物救護は、理論的には空白の期間となってしまいます。

【遅れた誘因】環境省の要請をうけ、公益法人などで組織された緊急災害時動物救援本部(通称・どうぶつ救援本部)が、3月14日に立ち上がっています。多くの国民はこの組織が仮設シェルターの運営など直接の「動物救護」にあたる権限や指揮系統を備えるものと期待しました。
 しかし、被災地の行政が機能しないときに、人員物資資金などで支援する役割であり、行政や自衛隊や警察などのような、直接的な「動物救護」に対応できる権限や仕組みを当初から持たない組織とのことでした。従ってどうぶつ救援本部に期待された役割のうち、緊急に行政が設定すべき仮設シェルターの運営や、避難所の同行避難管理などは事業の範囲外と思われ、主に募金や支援品集めの主体となって、物資や資金を分配する役割を担っています。但し、同本部傘下の一部の地方支部などでは、所管の自治体等と共に動物救護シェルターの運営を行う場合もあります。
 緊急災害時の動物救護を体験したことのない各自治体は、どうぶつ救援本部と環境省の本来の役割を認識するまで時間がかかってしまい、自らの問題としての動物救護体制の執行まで多くの期間が必要になったものと思われます。

【地域防災計画の見直し】今回の被災地自治体に限らず、地域防災計画に動物救護を組み込んでいる自治体が多数です。しかしその多くは「ペット」や「愛玩動物」などの表現で所有者・占有者・取扱者が特定されており、同行避難のできることを条件としています。被災地の現場では飼い主なども特定できなくなり、単独でさまよい助けを求める「愛護動物」が多数です。
 学校や公民館などの避難所は自主管理の仕組みが平常時から検討され、定期的に訓練されていると思われます。地域防災計画にペットや愛玩動物、家庭動物などの表現だけで「愛護動物」が組み込まれていない場合には見直しも必要ですし、人命避難の訓練に加えて、動物の避難保護など自主管理の訓練も求められます。
 今回の様に、指揮権限を持つ動物救護体制が数日間に渡り空白の結果の、数多くの弊害は広く知らされる通りです。

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