アニマルウエルフェア連絡会

人と動物との適切な関係づくりを考えます。
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ヒトの災対本部と動物救援本部
  法の執行官といわれるお役所は、いくら緊急時でも根拠法令のある事柄を行うことになっているようです。十年程前の北海道有珠山と東京三宅島噴火災害の際に、ヒトの災害対策本部は直ぐに立ち上がりましたが、動物救援には「根拠法令が無い」という理由から足踏みしました。今回と同じように動物救援を求める全国の人々が直ぐ動きましたので法規法令に「根拠」を探したところ、東京都の地域防災計画資料に、愛護動物関連の公益法人組織が主体となり、同事業者組織などとの協力体制のもと、国と都と都内区市町村の同所管と連携し「緊急災害時動物救援本部(以下、動物本部)」を組織する旨の図表が1頁作られていました。
 東京都に限られるものの、「○○災害動物救援本部」を設置するための根拠に極めて近い、このA4判のペーパーが現在でも大規模災害時の度に受け継がれているものと思われます。

(※注)現在は統廃合や組織変更されている公益法人団体なども改訂前のまま連名しています。

 有珠山災害の前の阪神淡路大震災時に用意された後保管されていた動物救援機材を、費用を負担しながら速やかに北海道まで配送できたのもヒトの災対本部では無く、公益法人組織主体の動物本部といわれています。当時は未だ緊急災害時に役所が動物救済の目的で執行できる法規法令は無いといっても言い過ぎではなかったのです。
 ヒトの避難所や救済は原則として役所の災対本部が管轄しますが、動物救援シェルター設置やアニマルレスキューを管轄する役所の無いことをいつも思い知らされていました。

 我が国には「動物が命あるものである」などを決めた「動物基本法」がありません。そのため多くの動物はヒトの所有や占有などの権利や、ヒトの行為による事態などに基づいて法制度化されているようです。例えば、ヒトには生命保険があっても動物は損害保険のように「モノ」です。

 公益法人や事業者の共同組織体の拠点の多くが都内に置かれ、従事する職員なども同様です。三宅島災害の際には都の防災計画のペーパーに従い、動物本部を構成する一部団体の職員なども都内に設置された仮設シェルターの運営に通われました。
 今回の大震災や原子力災害は各県を覆い、未曾有と言われる程の規模と範囲です。東京都における防災参考資料を引き継ぐだけの「どうぶつ救援本部」では立ちいかなくなることを容易に推測できます。
 国家公認の有数公益法人団体といっても、全国に派遣できる動物救済要員などを動員できる道理もありませんから、動物本部に被災動物救援の期待を集めている現在の仕組みを根本的に見直さなければならないと思うのです。

 宮城県では阪神淡路大震災を契機に、地域防災計画「震災対策編」を修正しました。東京都の計画と異なり、同県で組織されている公益法人団体などとの協力体制に基づく、A4判半分程度の文章です。
宮城県地域防災計画「震災対策編」【一部該当ページのみ】(平成9年6月阪神淡路大震災を契機に修正)
 現在同県にはこの文章に近い「宮城県緊急災害時被災動物救援本部」が設置されている模様です。被災動物は震災発生の当日から救援を待ちました。被災当初より唯一設定され、東京都独自の防災計画を受け継いだ「どうぶつ救援本部」の救援活動と、同県の救援本部の活動にどうして食い違いが起こるのか?ヒトの災対本部ではそのような疑問が決して湧きませんが、動物救援の現場では何故か恒例です。

 大規模災害は必ず繰り返します。災害基本法に基づく「アニマルレスキュー」の法制度化をできる範囲でコツコツと訴えていますがなかなかできません。しかし、災害基本法に基づく地域防災計画に「動物(注・現行法令上の愛護動物)」が善かれ悪しかれ少しずつ取り入れら出している雰囲気を感じます。
 例えば『福島県地域防災計画「震災対策編」(平成21年度修正)』には「動物」を「ペット」に限る条件付きながら、5〜6行の文書で取り入れています。つまり、行政に動物救援を執行していただくための「根拠法」として、使い方によっては上手に使えないこともないと思われます。

 災害基本法に基づく「アニマルレスキュー」の法制度化の立ち後れを「動物が命ある」と定めた「動物基本法」が無いためだ、としていつも言い含められてしまいます。もし本当にそうだとするのなら、是非「動物基本法」を作っていただきたいものです。
 東京都にだけあてはまる参考資料にいつまでもこだわり、都内に拠点を置く公益団体などだけが主体となるのではなく、被災当日に国や役所が主体となって組織する「動物災対本部」が必要です。「動物よりも人命」・・・など、聞き飽きたフレーズです。(平成23年5月吉日・き)このブログは|AWN連絡会ホームページ|と連携しています。

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