アニマルウエルフェア連絡会

人と動物との適切な関係づくりを考えます。
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行政指導への不信?
メールマガジン「どうぶつネットにゅーす」の内容をかいつまんで・・・
メルマガ全文は→|2010.02.25日号

 従来の保健所は、「動物愛護法で、拾得者その他の者から求められた場合、引き取らなければならない。」という字面通りを鵜呑みにして、余剰犬ねこの引き取りを正当化していました。
 1999年の議会付帯決議の「犬及びねこの引取りについては、飼い主の終生飼養の責務に反し、やむを得ない事態としての所有権の放棄に伴う緊急避難措置として位置付けられるものであり、今後の飼い主責任の徹底につれて減少していくべきものであるとの観点に立って、引取りのあり方等につき、更なる検討を行うこと。」という解釈を国民が進んでアピールしたことから、「引き取りを断れる。」という対策をとる行政も多くなっています。国の考えを国民が後押しした結果と思われます。

 「所有権や占有権者の分からない愛護動物に給餌を続けて法廷闘争になったとき、民法上の飼い主責任をとらされ、賠償責任の生まれることもある。」と指導する行政があります。行政の講演内容に含まれたり、パンフレットにも掲載されています。
 民事不介入を原則にする行政への不信感です。損害を訴える側が、前もって対象の動物に持ち主がいることを証明しなくては成り立たない民事の係争です。

 昭和25年に狂犬病予防法ができた際、狂犬病撲滅をはかる厚生省が所管でしたので、各保健所が犬の捕獲や抑留のほか事務などを行いました。
 昭和48年に動物保護法ができた折り、同法の所管も保健所となりました。果たして「動物愛護管理法」の所管は保健所でよいのでしょうか?国では厚労省ではなく環境省の担当です。

 カラス被害対策の「給餌禁止の法的措置」の有無を鳥獣保護法の所管に訪ねたところ、「カラスへ給餌禁止する罰則のない同法の対象外。」と断定しました。
 しかし「法は、法を使う人々のためにある。」という理論に立つとき、人の作為がカラスの自然な生態系に影響を及ぼす事態について、同法を根拠にした抑止措置が可能とする判断を否定できません。国の担当官の断定に不信感が芽生えます。

 ある都道府県では動物愛護法と鳥獣保護法の所管が異り、徘徊する愛護動物を捕獲する目的の用具の設置に対して、動物愛護法の所管担当はダメをだし、鳥獣保護法の担当はOKを表明します。益々不信感がつのります。
 警察署も動物愛護法と鳥獣保護法の管轄が異なりましたが、担当官の個人的見解として「地域コミュニティの力で捕獲用具の撤去を働きかけなさい。」という結論でしたのでそうしました。

 国と同様にカラスへの給餌を禁止する罰則付きの法令がない、と断定したある都道府県では、区市町村独自の「カラス給餌禁止罰則付き条例」制定を指導していました。
 原則として条例は法律の範囲でつくられるもの。罰則を与える根拠法がないのだから条例をつくりなさい、という違憲立法のすすめに不信感がおこります。

 我が国には「動物基本法」がありません。身近な毎日の生活環境に関わりをもつ、生物多様性基本法の市区町村の所管もやはり「保健所」なのでしょうか?

 災害基本法と愛護動物の所管が連携し、被災動物の同伴避難所対策を打ち出す自治体が増えました。愛護動物の所管は防災や被災の条例制定に直接関わらないので、避難命令地区に放置され放ろうする動物が救済の対象に含まれまないことなどにはご注意も必要です。

 もし、動物基本法ができるとき、市区町村の所管はやはり保健所なのでしょうか?環境や自然や暮らしやコミュニティなどの部署は想定外でしょうか?
 行政指導への不信?をなくすためにも、「動物が命ある」と定めた「動物基本法」が必要ですし、同じ一頭の動物に関わる各種事態の中で、その都度国の管轄も変わる現実の改善が望まれます。なぜならば、それぞれの事態にあたる現場担当の混乱が続く限り、人と動物との適切な関係づくりなどへの道筋も足踏みを続けます。

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